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膵がん

膵臓がんとは

現在、日本において膵臓がんにかかる方や亡くなる方は年々増加しており、がんによる死亡原因の第3位となっています 。膵臓がんは早期の段階では症状が出にくいため、発見された時にはすでに進行していることが多く、全体の5年生存率(診断から5年後に生存している方の割合)は約10%前後と、非常に治りにくい(予後が不良な)病気として知られています

しかし、腫瘍の大きさが「1cm以下」というごく早期の段階で発見することができれば、5年生存率は80%以上が期待できます 。そのため、いかに早く異常を見つけるかが極めて重要になります。

膵臓がんの危険因子(リスク)

膵臓がんには、かかりやすくなるいくつかの「危険因子」があることが分かっています。

  • 糖尿病(特に急に発症した方や、急激に悪化した方は注意が必要です)
  • ご家族に膵臓がんになった方がいる(家族歴)
  • 慢性膵炎にかかっている
  • 膵臓にのう胞(水たまりのようなもの)がある
  • 喫煙や大量の飲酒、肥満などの生活習慣

これらのリスクに当てはまる方は、定期的なチェックがお勧めされます。

腹部超音波(エコー)検査の重要性

膵臓がんを早期に発見するための最初の入り口(スクリーニング)として、「腹部超音波(エコー)検査」は体への負担がなく、費用も抑えられるため非常に優れた検査です 。エコー検査によって、がんそのものだけでなく、がんができることで起こる「膵管(膵液の通り道)の広がり」や「のう胞」といった間接的なサインを見つけることができます

一方で、膵臓はお腹の奥深く(胃や腸の裏側)にあるため、胃腸のガスの影響を受けやすく、エコー検査だけでは膵臓全体を隅々まではっきりと見ることが難しい場合があるのも事実です 。そのため、リスクのある方やエコーで少しでも見づらい所見、気になる所見があった場合には、エコーだけでなく「その他の検査」も併せて評価することが重要になります。

その他の検査と定期的な確認

エコー以外の精密検査には、以下のようなものがあります。

  • CT検査、MRI検査:お腹の断面を細かく撮影し、膵臓の形や周囲の血管を評価する画像検査です
  • 超音波内視鏡検査(EUS:胃カメラの先端にエコーがついており、胃や腸の中から膵臓を間近で観察する、ごく小さな病変の発見に優れた検査です

しかしながら、症状のない方全員にこれらすべての精密検査を最初から行うことは、体への負担や医療費用の面からも現実的には困難です 。だからこそ、まずは負担の少ないエコー検査でのスクリーニングが大切になります。そして、リスクが高い方については、これらの複数の検査をうまく組み合わせながら、定期的に膵臓の状態を見ていくことが非常に重要です

病院同士の連携による早期発見プロジェクト

近年、全国各地で膵臓がんの早期発見を目的とした「地域連携プロジェクト」が進められています。この取り組みにおいて大切とされている事のひとつは、皆様にとって最も身近な「地域のクリニック」の役割です。

膵臓がんは早期の段階では自覚症状がほとんどありません。そのため、まずは身近なクリニックが「最初の窓口」となり、糖尿病の状況やご家族の病歴といったリスクの確認、そしてエコー検査などを行うことで、ささいなサインを拾い上げる事が、その後の精密検査や治療へ繋がる鍵となります。

実際に、広島県の尾道市で始まった「尾道方式」という取り組みでは、地域のクリニックがエコー検査などで小さな変化に気づき、速やかに中核病院へ紹介する連携体制を築くことで、早期発見例が増え、患者さんの予後改善に寄与したという素晴らしい成果を上げています。

当院での取り組み

当院では、こうした「身近なクリニックでの最初の気づき」こそが、皆様の安心につながると考えています。

膵臓がんの早期発見には、高度な検査や治療を行う大規模病院と、日々の健康を見守る地域のクリニックとの連携が欠かせません。私たちが地域の皆様の「かかりつけ」として、普段の診察の中でいつもと違う異常を拾い上げ、必要な場合は適切なタイミングで基幹病院へお繋ぎすることが、早期発見の第一歩になると考えています。

「最近、糖尿病の数値が気になる」「家族に膵がんの人がいて心配だ」など、どんなに小さな不安でも構いません。まずは「最初のご相談窓口」として、当院へお気軽にお越しください。近隣の基幹病院と協力し、皆様が安心して最善の診療を受けられるようサポートしてまいります。

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