酸関連疾患
酸関連疾患とは胃酸の過剰分泌や逆流によっておこる疾患のことです。
昔、酸関連疾患の代表といえば、ピロリ菌による胃十二指腸潰瘍でした。
しかし、最近は食生活の欧米化やピロリ菌感染率の低下などで、胃十二指腸潰瘍は激減し、酸関連疾患の主役は逆流性食道炎に移ってまいりました。
逆流性食道炎
肥満による胃の圧迫や食べすぎは胃液の逆流を起こしやすくします。特に加齢による亀背(腰曲り)は前かがみによる腹圧の上昇から重症の逆流性食道炎を起こすことがあります。
薬剤起因性潰瘍
高齢化社会を迎え、心臓病や脳血管疾患の予防のために低用量アスピリンや腰痛や関節痛のために鎮痛剤を服用している患者さんが増加しております。こうした薬剤によって引き起こされる薬剤起因性潰瘍は、腹痛を自覚することが少なく、出血を起こして貧血で発見されるケースが大部分です。高齢者はこのように胃粘膜障害が起こっていても症状に乏しいことが多く、体調を崩した時にはかなり病状が悪化していることもあります。
酸関連疾患の治療には制酸剤が有効です。近年は治療効果の高い制酸剤が多数利用可能で、治療効果は劇的に高まっております。
空腹時や食後に上腹部の不快感があり、食べすぎ傾向のある方は逆流性食道炎の可能性があります。また、高齢者で鎮痛剤を服用していたり、腰が曲がっている方は症状が無くても定期的な胃の内視鏡検査が必要です。